第4回 次世代イノベーションセミナーを開催しました

次世代産業として医療機器ビジネスが注目を集めていますが、新規事業が軌道に乗るまでに様々な障壁があります。

しかし、適切なアドバイスや支援で、収益性の高い中核事業に育て上げることが可能となります。

そこで『医療機器産業におけるビジネスチャンス』をテーマに、医療機器ビジネスの全体像や取り組み方、開発の進め方など、参入事例とともにご紹介いただきました。

 
 
医療機器ビジネスの概観 ~新規事業としての医療機器~

株式会社 ライフサイエンスマネジメント

取締役 安西 智宏 氏

安西氏は他にも東京大学の特任准教授をはじめ、大阪商工会議所や内閣官房、文部科学省など、様々な機関で医療機器関連業務に関わられています。

医療機器産業は、景気変動に対して影響を受けにくいため、付加価値が高く安定的であると言われています。

医療機器と一言でいっても非常に種類が多く、人の命に直結するようなものから気軽に使えるものまで、4千種類以上あり、リスクレベルによってクラス分けされています。参入業態もサプライヤーであったり、研究開発を専門としているところ、製造販売までの責任を負うところまで様々です。参入にあたり、どの辺りを施工していくのか目線合わせが大事です。

そして、新規参入には予算や権限など社内問題に加え、医療機器産業は長い開発期間や法律と許認可のハードル、対外的なネットワークの形成などの難しさもあります。大阪商工会議所など、専門の方にネットワークを紹介していただいたり、いろんな方のアドバイスを聞いてもらえればと思います。

 

中小企業の参入事例 ~医療機器に使用される技術・素材~
大阪商工会議所 産学連携コーディネーター
地方独立行政法人大阪産業技術研究所
企画部 産学官連携コーディネーター
内村 英一郎 氏
既存の医療機器は、普段ものづくり企業が使っている技術でつくられており、特別大変な物ではありませんが、毒性はないかなど、素材を気にされます。一般的に使われているバルーンカテーテルのパーツ材料は、工業生産されている樹脂系のものとほぼ同じで、安全性試験できちんと評価されたものであれば、いろんな材料が使えます。ある程度仕様を満たせる材料は市販されていますが、材料の進化によって新しい機器が作れます。安全性を理解し、トレンドをどう先取りするかが重要です。
実際商品開発をする際に、使えるものを作るためには医療従事者との連携が必要となりますが、それぞれの立場で視点が変わるため注意が必要です。研究者の方は専門以外のことは全くご存じないので、企業側は頼りすぎると失敗してしまいます。公的機関を含め、いろんな支援機関があるので、周りをうまく使うことが非常に必要です。

高専ロボコン全国大会で、神戸市立高専が特別賞を受賞

12月3日(日)に開催の高専ロボコン全国大会において、大会協賛企業の田中貴金属グループから特別賞を受賞しました。

くわしくはこちら

vol.254

播磨産業技術情報vol.254を公開しました

発行物:播磨産業技術情報vol.254を公開しました(バックナンバーはこちら

 

 

 

第4回次世代イノベーションセミナーを開催します

今回は、『医療機器ビジネスの概観』と『中小企業の参入事例』をテーマに12月7日に姫路商工会議所にて開催します。

次世代産業として医療機器ビジネスが注目を集めています。しかし、新たに医療機器事業に取り組む際、

開発から製品化、その後に新規事業が軌道に乗るまでに様々な障壁があります。

一方、各段階において適切なアドバイスや支援を受けることで、これらの障壁を乗り越え、収益性の高い

中核事業に育て上げることが可能となります。

 

詳しくはこちら

 

今回の受け付けは終了しております

後日、開催報告を掲載させていただきます

 

 

第3回 次世代イノベーションセミナーを開催しました

今回テーマに取り上げた「産業用ロボット」は、製造業の喫緊の課題である人材不足の解消や生産性向上に有効と考えられており、従来の産業用ロボットではカバーしきれなかった領域での新たなロボットの導入・活用が今後ますます期待されています。

そこで、産業用ロボットに参入した企業の視点から、活用方法や市場の動向、今後の展開などについてお話しいただきました。

 

 

講師 : THK 株式会社

   常務執行役員 産業機器統括本部 IMT事業本部長

   星野 京延 氏

演題 : 今、製造現場で求められるロボットとは ~人のように使えるロボットを目指して~

 

THK㈱はリニアガイドを主に扱っているメーカーで、産業機器事業に対して多くの部品を供給する事業と、ボールチャックを中心に、車の足回りなど輸送機器事業の大きく2つの事業を展開しています。

ロボット事業をしていたカワダロボティクス㈱が次世代ロボットの製造開発をするにあたり、THK㈱が販売を担い広めていくよう連携しています。

 

 

= 講演内容 =

カワダロボティクス㈱製作の2足歩行ロボットをベースに「次世代のロボット」をスタートした当初、アプローチしていたマーケットはエンターテイメント系や建設現場でした。

しかし、あるメーカーの生産現場から相談されたことにより、ニーズのある工場の中で働けるロボット製作へ一気に舵を切りました。

生産工場を大きく分類すると、機械式と人手による現場で、当然課題となっているのは人手による生産現場です。その現場に導入するするには、共に働けるロボットを開発していくことで、人を作るということだと考えました。

開発にあたり焦点を当てたのは、工場内での人の機能「見る」「つかむ」「取る」「動かす」「動いていく」と、共に働くということが重要でした。

そして完成させたのが『NEXTAG』です。

 

ヒト型ロボット『NEXTAG』

THK㈱の工場で導入した当初、少子化で労働人口が減る中「人に代わるヒトが欲しい」というイメージでNEXTAGを導入したのに、現場では従来の自動機の既成概念により位置の設備をしてしまい、大失敗となったのです。人を導入する現場というのは、人の周りに自動機を置かず、絶対に周辺を機械化しません。NEXTAGのイメージは人ロボなので、素直に人がいたところをロボットと置き換えることが正解でした。

そうすれば例えば、生産量が多くなったとき、安全機能のため早く動くことができないロボットを退けて人と入れ替えたり、休日や残業時などに人と置き換えるなど、臨機応変に対応することができます。

理想はロボットだけを導入し、人の作業をして人の道具をそのまま使うことですが、少し手を工夫したり、ちょっと周辺に治具をプラスしたレベルで機械別に工夫することが重要です。

 

現時点では、工程の3割ほどをロボットに入れ替えれると思っていますし、今後導入事例がもっと増えてくれば、人とロボットと従来の産業用ロボットをどこに入れていけばよいのか明確化されてきます。最終的には、1つのチームに人も産業用ロボットも並んでいて、何割かは人ではなくNEXTAGという、いろんなものを持ち寄った総合的なチームができていくことが目標です。

 

ご参加いただきました皆様、ありがとうございました。

次回は12/7(木)を予定しております。テーマ「医療機器産業におけるビジネスチャンス」 → 詳細はコチラ

次世代産業として注目を集めている医療機器ビジネスについて、事例紹介や参入支援プログラムについてお話しいただきますので、ご参加よろしくお願い申し上げます。

Vol.253

高専ロボコン近畿地区大会で、神戸市立高専Bチームが準優勝、同Aチームが全国大会への出場権獲得など県内高専が活躍

10月22日(日)に開催の高専ロボコン近畿地区大会で、神戸高専Bチームが準優勝、同Aチームが全国大会出場権獲得・技術賞受賞、明石高専Aチームがアイデア賞を受賞しました。

今年度の近畿大会と昨年度の全国大会の結果はこちら

第2回 次世代イノベーションセミナーを開催しました

ドイツの提唱する「インダストリー4.0」は生産の自動化やネットワーク化を進め、情報と製造現場を連携させることで、ものづくりが改善できると期待されています。一方日本は「コネクティッドインダストリーズ」をまとめ、製造現場の強みを活かしつつ、IoTで新たな付加価値を生むことを目指しています。

そこで『人と機械が協調する先端ものづくり時代』をテーマに、今後の製造業を取り巻く環境や展望についてお話しいただきました。

次世代の“ものづくり”と工作機械の未来像

講師:上智大学名誉教授(MAMTEC 代表)

   清水 伸二 氏

ドイツのインダストリー4.0は、個の量産をこれまでの大量生産と同等のコストと能率で実現することを目指しています。

つくる物やつくり方、受発注仕様や販売方法など、これからのものづくりには影響因子が様々あります。

また、省エネ化や人口爆発などの社会問題、グローバル化やICT化といった社会環境の変化なども今後のものづくりに影響してきます。

これからの個の量産というものづくりに対応していくには、工作機械自体がより柔軟な構造形態や加工をしなければいけません。そして、化石燃料が枯渇してしまわないように省エネ化が必要となります。これらを進めるには、工作機械自体が知能化し、考える工場の核となっていかなければいけません。追及していくと、工作機械自体が見える化していないと作り進めることができず、見える化が進めば柔軟化・省エネ化・スマート化が進むという正のスパイラルが起きて、真のIoT化が進む環境ができると思います。

個の量産を目指すために正のスパイラルが進めば、最終目標の高効率の生産が実現できます。ヨーロッパではトップダウン的に見える化が進んでいますが、日本はボトムアップのものづくりで、実際の生産現場を活性化しながら見える化をやっていけば、永続的に成長していけるようなものづくり環境ができるのではないかと思います。

川崎重工業におけるICT,IoTを活用したものづくりへの取り組み

講師:川崎重工業 株式会社 技術開発本部フェロー(役員)

   古賀 信次 氏

ものづくりの両輪は、生産技術と生産管理技術です。川重は生産技術を設計段階で製品に注入することで製品の差別化をする1つのツールとして使っています。もう一方の生産管理技術はコスト・納期・品質を決める非常に重要な技術です。工程設計から生産準備・生産・出荷までの流れとなります。

欧米が進めているMES(Manufacturing Execution System)は、コンピューター内に工場を作り、最適生産システムを検索し工場に指示する自立型最適工場の究極の姿で、川重はこの中の一部からコツコツ積み上げていっています。

川重のものづくりの規範は、トヨタ自動車㈱の生産方式を範としたKPS(Kawasaki Production System)です。KPSの要諦は「工程計画」「生産実行」「問題抽出」「改善施策」の改善サイクルを回すということで、帳票や記録などを保管して効率化するのがICTやIoTだと思っています。ICT/IoTは「生産状況の見える化」や「無駄の徹底廃除」などについて、正確・迅速・明瞭に具現化するツールで、それ自体が目的化することがないように留意しながら進めています。

川重の工場群は量産品から一品生産品まであり、生産形態が全く違うので、工場ごとの特質に応じたデジタル化を進め、適正な規模やレベルのスマート工場を目指しています。

 

ご参加いただきました皆様、ご多忙中ありがとうございました。

次回は10/24(火)を予定しています。

テーマは『今、製造現場で求められるロボットとは』で、一層の普及と市場の拡大が期待される「産業用ロボット」をテーマに取り上げます。

 → 詳細はコチラ

ご参加いただけますよう、よろしくお願い申し上げます。

Vol.252



公益財団法人ひょうご科学技術協会
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