近年、インターネットを通じて、あらゆるモノがネットでワークでつながるIoTが注目を集めています。
しかし、中小企業ではまだまだ取り組みが進んでいないのが現状です。
そこで、IoTの活用方法を知っていただくため、IoTを利用して製造現場の効率化・生産性の向上に取組んでいる企業の取組を紹介いただきました。
以下より講演の要旨となります。
講師:シメックス 株式会社 生産統括本部長 田中 庸介 氏
シメックスは、臨床検査機器・検査試薬に特化したビジネスを展開しています。 研究開発・製造・販売まで一貫したバリューチェーンを築き上げていることが強みで あり、常に顧客の声を聞き新しいものを提供できるよう、IoTを使って革新・進化を追 い求めています。
演題:「シスメックスの”デジタルものづくり”とIoT活用事例の紹介」
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医療機器のため品質保証体制が要求される他、供給の約90%が海外向けとなっており、各国の規制に適合すべく世界共通仕様にて製造しています。
高品質なものづくりのため、工場全体をネットワークで繋ぐシステムを作りました。
作業者1人につき1台の端末を設置することにより管理者からリアルタイムで指示ができるため、効率用よく確実に作業することが可能となっています。
このシステムをベースとして全ての作業手順を3Dマニュアルにし、手順を直感的に理解できるようにすることで、経験が浅くとも熟練工のような作業が可能となりました。
また、検査機器とカスタマーセンターをネットワークで接続しました。
これにより、センサー情報より機器の状態に異常があれば電話にてサポートができ、品質維持など顧客満足度の向上や、エンジニア訪問回数減などのコスト削減へ繋がっています。
講師:オムロン 株式会社 インダストリアルオートメーションビジネスカンパニー 商品事業本部 企画室 拡業推進部長 本条 智仁 氏
オムロンは、5つのカンパニーに分かれており、制御機器事業が40%を占めています。 制御機器は人と同じように、五感の人口組織、判断する脳、行動する手足、安全に動 かすための機能があります。 それらとロボットを繋げ、製造現場からモノづくりを豊かにしています。
演題:「IoT時代におけるオムロンの製造現場革新取組」 |
情報を収集し、データの分析・解析が瞬時にできるようになった現在のキーワードは、それをどのように現場で活用するかということです。
製造業のデータ活用事例としては、熟練者の技能をデータ化して継承へ使用したり、AIの学習機能により不具合品の製造データを学習させて良品生産に繋げたりしています。
オムロンではお客様へ商品の価値を提供するにあたり、自社工場で自社製品を試し、事例を創出しています。
取組んできた事例としては
・手入力であった作業日報を、作業コントローラーから直接データベースに上げる仕組みを作った
入力ミスや分析・解析がが困難で漠然としていた作業効率が明確となり、段取りロスやライン停止などの改善ができた
・上記の仕組みを他工場とクラウドで繋いだ
個々の作業効率が明確となりモチベーションや能力の向上、他工場との比較による相乗効果、ハード費用やPCライセンス費用等の削減となった
現在は品質改革や予兆保全、データ価値の拡大に取り組んでいます。
製造業のデータ分析・解析するには、まずは確かなデータ収集が必要で、現場でデータを取ってこそできることが見えてきます。
IoTは現場のいろいろが見える世界となってきましたが、データの利活用がもっと進化し、全てがつながる世界がやってきます。