第1部
ゼロカーボン社会の実現へ、国内外の動向と関西電力グループの取組みについて
理事 姫路支社長
樋口 正憲 氏
脱炭素社会に向けた国内外の動向として、2021年2月のG7首脳テレビ会議で「2050年までの温室効果ガス実質ゼロ」の方針が示され、日本でも2030年までの目標を閣議決定。温室効果ガス46%削減や、再生可能エネルギーによる発電割合の引き上げ、省エネルギー等による電力需要の削減等、実現に向けた対応が企業にも求められています。
また、CO₂削減の具体策として、まずは排出量の”見える化”が重要とし、可視化した情報をさまざまな企業や自治体等と共有することで、ゼロカーボン化に向けた解決策を生み出す土台をつくる必要があると指摘。関西電力グループが他企業と共に展開する、「減らす」「置き換える」「創る」の3つのアプローチにより企業や地域のCO₂削減を支援する新しいサービスについて説明しました。さらに、水素社会の推進や、再エネによる電源の増加等を見越した送電線の容量拡大事業にも触れ、「ゼロカーボン社会に貢献するため、お客さまや社会のニーズをしっかりと捉え、新たなサービスの実現に積極的に取り組んでいきます。
第2部
人材を切らずに電気を切る!
社長が決意!全従業員の前で省エネ宣言
代表取締役 勅使河原 覚 氏
電子機器の一貫生産を行い、試作品製作などの小ロットの注文にも対応してきた当社は、バブル崩壊後に受注が激変したことを機に、節電の徹底を決意しました。事業所や工場の基本料金は1年で最も多く使用した30分間の電力量を基に決定するため、まずは1年間の電気使用量を見える化して社員と共有。「開けた扉は閉める」等の基本的な対策で全体の使用料を削減するとともに、現場間の密な連携などにより、月ごとの電気使用量の差を縮めることで無駄を省いていきました。
取り組み後、電力量の月による差はほとんどなくなり、11年間で基本料金は38%削減。また、エネルギー管理体制の構築のため「エコリーダー」を選出し、1日の最大消費電力量を抑えるために作業工程の調整を毎日行ったことで連帯感が生まれ、生産効率が向上しました。「設備投資などハード面ではなく、人材教育などのソフト面で成し得た省エネです。」
第3部
省エネで始まる経営好循環
~よりよい省エネの進め方
エネルギー使用合理化専門員 鳥山 佳秀 氏
経済産業省や環境省、兵庫県が実施する省エネの補助金制度で中小企業が比較的活用しやすいものや、申請時の注意点などを紹介。併せて、同センターが事業者に対し、エネルギー消費状況を把握して省エネ施策の提案を行う「省エネ最適化診断」の事例を基に、省エネに取り組む際に持つべき視点や代表的な施策例を挙げました。
車が登場した時代からエンジンなどの要素技術は変わっていませんが、制御装置やセンサーなどの応用技術によって、燃費は格段に上がりました。今後ますます必要性が高まる省エネの取り組みについて、「本当にそのエネルギーが必要なのか」見直すことが大切です。