人工知能による30年後の新たな世界と企業におけるAI活用
人たちが様々な産業革命を経験し、現在は第4次産業革命の真っただ中にいます。それをけん引しているものが人工知能です。
人工知能によって、人類最大のパラダイムシフトを経験することになりそうで、後戻りできないほどすごい変化がやってくる時代を「SINGULARITY(技術的特異点)」と呼んでいます。レイ・カーツワイルは著書「The Singularity Is Near(シンギュラリティは近い)」の中で、脳にナノマシンを挿入したり、他人の感覚をリモート体験出来るようになるだろうと予言しています。シンギュラリティの完成を迎えるとされる2040年には間違いなく脳にチップが入ってきて、人間とロボットの境目をどこで線引きするのか、人間が再定義される時代がやってきます。2040年までの間で、日本の環境は1/3が65歳以上で占められてしまうため、人工知能やロボットに頼っていかなければ国は成り立たなくなります。
現在は第3次人工知能ブームと言われていますが、ブームだからとAIやIoTの導入を進めると失敗します。AI導入のキーワードはイノベーション=「新しい仕組みを創って普及させる」です。もしくは、今までの仕組みを少し変えて普及させることです。ただ、複雑な世の中のこの時代に自分たちだけでのイノベーション経営は難しく、いろんな企業や団体などと協力し伸びていくオープンイノベーションがこれからのトレンドです。オープンイノベーションをしていくにあたり大事なのは、デザイナーがモノをデザインする時のものの考え方や様々な手法をビジネスの世界で応用する「Design Thinking(デザイン思考)」です。①常にユーザー視点②漠然をはっきりさせる③アイデアを発散させる④とにかく作ってみる⑤テストしてだめなら直す というのを繰り返すことです。自分たちの会社のあるべき姿ではなく、将来どうありたいかを全員でアイデアを出し合い、小さなビジョンの塊である1枚の未来予想図を描きます。将来ビジョンを文字ではなく絵で描くことにより、みんなが情報や意識の共有ができ、目標がはっきりします。そして小さなビジョン1つ1つ達成するために何が必要か対策を考え、ここでAIが必要であると思えば初めて導入を考えてください。
AIやIoTありきではなく、自分たちのビジョンを固めることが、今後のシンギュラリティ時代における企業の生き残れる一つの手法だと思います。