IoTと自動運転が変えるこれからの自動車産業
オートインサイト 株式会社
代表 鶴原 吉郎 氏
代表 鶴原 吉郎 氏
スマートフォンやタブレットの登場により、音楽はCDを買うのではなく、ネットよりダウンロードして聴くということへ変わりました。映画においてもネット配信サービスで見るなど、所有する時代から利用する時代へ変わってきました。
製造業でもITを活用することで、モノの販売からサービスを売ることで利することが可能になってきています。
例えば、内部に無数のセンサーをつけると、データセンターで管理することが可能となります。それにより、モノを売るのではなく使用した時間で料金をもらったり、データ解析することにより故障する前にメンテナンスができるようになりました。
「モノからサービスへ」という流れは自動車業界でも始まっています。
ITを活用し、スマートフォンの専用アプリでタクシーを呼ぶ配車サービスが拡大してきています。送迎場所をアプリに登録することにより、運転手到着時間や料金目安が表示され、事前に登録したクレジットにて決裁されます。安全や信頼は、運転手と客の相互評価が公開されることにより保たれています。
ネットとつながることにより可能となってきている自動運転車ですが、自動車メーカーだけでなくIT企業も開発を図っています。自動運転はセンサーで監視や制御が可能なことから、物流コストや事故・渋滞の減少など様々なメリットがあります。
しかし、自動運転技術により自動車産業が大きく変わってきます。これまでの主役である完成車メーカーの強みは高品質なことでしたが、これからは自動運転エリアの広さや自動運転ソフトなどが重要となってきます。車が所有から利用へ変化していく中で、自社の強みをどこに定めるのかが重要となり、自動車ビジネスを総合格闘技へ変えていくと考えています。